2010年9月26日日曜日

『命と向き合うデザイン』 

 新・人工心臓−12



人工心臓埋込術を行う目的は、重篤な心疾患の治療することですが、その目標とするところは患者の社会復帰です。ここで、疾患の程度によるヒトと社会の関係を分類して考えてみます。世界保健機構(WHO)は、1980年に国際疾病分類の補助分類として、国際障害分類(International Classification of Impairments Disabilities and Handicaps:ICIDH)を発表しました。この中で障害は3つの段階に分類されており、重い順に、機能障害・能力障害・社会的不利と呼ばれ、社会復帰が行えるのは多くの場合、社会的不利よりも軽度のものと言われています。例えば、「全盲の人が新聞を読めない」ということを各段階で考えてみます。機能障害(impairment):目が見えないこと(目で見るという機能に障害があることを意味します)。能力障害(disability)印刷された文字が読めないこと(目が見えないために印字を読むという能力に障害があることを意味します)。社会的不利(handicap):新聞を読めないために情報を入手できないこと(印字から情報が得られないために何らかの社会的な不利を得がちであることを意味します)。WHOではその後、2001年になって新たにICF(International Classification of Functioning)を発表し、健康を含めたヒトの健康状態に関わるすべてを対象とした分類を示しています。

独立行政法人国際協力機構 課題別指針「障害者支援」, 2009