『自己を見つめるデザイン』

 初めての・・・


昨年の今日、
生まれて初めて講義をさせていただきました。

今でも覚えているのは、90分という時間の長さです。

これだけあれば足りるだろう、
と考えて準備していったスライド約120枚を、
30分とたたずに全て見せてしまったときは、
流石に背筋に冷たいモノが走りました。
スライド1枚を1分かけて説明することが、
如何に難しいことなのかを思い知りました。

写真を見せれば多少興味を示しますが、
それだけでは時間を稼げず、
かといって文字だけのスライドが続けば飽きてきてしまい、
説明しているこちらとしても辛くなってきます。

私にとって第1回目の講義、
それは、自分の中では完全に「負け」でした。

しかし、その負けたという認識が、
私にはとてもプラスに働いたと言えます。
私が学んで来たデザインで言うならば、
講義をする、ということは、
つまり、
どのように講義をデザインするのか、ということです。

まず、重要なことはその講義の目的(concept)です。
そして、
ある空間(where)の中で、
ある時間(when)の中で、
ある人達(who)に対して、
あるテーマ(what)を、
ある方法(how)を用いて、
伝達する。
これは完全にデザインです。
講義をデザインすれば良い、
と考える事によって、
私は自分のすべき事の一端を
見つけることができたように思います。

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