『memorandum』     

 続エ・・・ーター



以前、escalatorは、アメリカの商標で、
最近できた新しい語である、と記しました。
確かに、少なくとも近代以降の技術によってつくられたものですね。

・・・あれ???じゃぁ、エレベーターって、いつからあるの???

言葉があった、ということは、
それが指し示す存在(signifié)があったということです。

調べてみると、なんと紀元前から。
でも、考えてみたら、単純機械に滑車が含まれるわけですから、
当たり前のことでした。

単純機械とは、
古代に開発された道具で、
小さな力を大きな力に変換する、最も基礎的な機械要素、
とまとめられたと思います。次に示す5種です。
・滑車
・ねじ
・くさび
・てこ
・輪軸

改めて調べてみると、
技術者のヘロンが提唱したとのこと。
それぞれの原理は置いておくとして、
今回たまたま取り上げたエレベーターは、
この内の滑車を利用してつくられたものがあったようです。

現代の文化からすれば、
エレベーターにしろ、
エスカレーターにしろ、
どちらも「上の階に移動するための装置」
という概念になっているように感じますが、
エレベーターが誕生した頃、
エスカレーターのような装置をつくり出すことは困難だったわけです。

モノの在り方、ということを考えてみると、
そこには必ず歴史性が存在し、
それを無視して対象を語ることはできません。

見た目の上や、音の響きの上では、
似ているモノでも、
中をのぞいてみると、全く違う、
ということがたくさんあります。

そのことを忘れてはいけません。

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